お仕事情報:和樂web

9月28日から公開される映画「春画と日本人」を、「和樂web」にてご紹介させていただきました。和樂でご活躍中のライターさんからご紹介いただき、監督インタビューの機会もいただきました。

自分も、浮世絵業界の片隅で生きていた人間だったので、大英博物館での「SHUNGA」展開催時、日本巡回の話がことごとく頓挫していたことも、永青文庫での開催決定後もさまざまな障害があったことも、よく存じておりました。

ですので、監督とお話ししている中で、「春画展という小石が、社会という水面に投じられたときに起きた波紋を記録したかったんです。」という言葉が、私の中でスッと腑に落ちたのです。キワモノとして扱うのでも、スキャンダルとして扱うのでもなく、4年前、波紋を静かに見つめていた監督のスタンスを、できるだけ尊重したいと思いました。

単に春画展のサクセスストーリーを描くだけでなく、そこに至るまでの歴史を丁寧に説明した映画です。この映画への共感を、うまく文章にも載せることが出来たようで、編集部の皆さんからもお褒めの言葉を頂戴しました。映画は、ポレポレ東中野で上映予定です。

■ 9/28公開!映画「春画と日本人」に見る忖度の構造、大墻監督インタビュー

追記:記事の公開日が更新されてしまっていますが、この記事は9月11日に「和樂web」にて初掲載されたものです。この記事掲載後、あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展」をめぐって様々な言説が飛び交い、非常に残念な事態となりました。多くのメディアが、この「あいトリ問題」に絡め、この映画を取り上げましたが、私は「あいトリ問題」とこの映画のテーマを一概に同一視するのは、やや危険だと思っています。監督自らが綴ったコラムが10月の終わりにウェブで公開されたので、ここにリンクを貼らせていただきます。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67931

お仕事情報:和樂web

「和樂web」にて、日本画家・宮下真理子さんデザインの竺仙の新作ゆかたをご紹介しました。宮下さんと竺仙の小川社長との対談記事です。

宮下さんとは、実は大学時代に同じ授業を受けていたというつながりがあり、卒業後もときどき個展などにお邪魔しておりました。在学中から、才色兼備で知られていましたが、十年経っても変わらぬ美貌。院展画家として活躍しつつ、共立女子大で教鞭も執っておられます。何に対しても妥協しない姿勢は、本当に変わらず。

竺仙の小川社長は、今回の取材で初めてお会いしたのですが、品位と教養が滲み出るお人柄に、一瞬で魅了されました。お二人の、ものづくりに対する真摯な姿勢と日本文化への愛情が生んだ、美しい紫陽花ゆかた、ぜひご覧ください。

■ 美人日本画家・宮下真理子が描く紫陽花ゆかた、創業177年の老舗・竺仙が染め上げる江戸の青

春は窯場に行きたくて

昔から、春先になると無性に窯場に行きたくなる。4月に職場の雇用形態を変えて、休みの融通が利くようになったので、4年ぶりに、益子の春の陶器市に行くことにした。

Mashiko, TOCHIGI 2019

池袋6時発の観光バスで益子へ。田園都市線の始発では間に合わないので、渋谷まで歩くことになった。朝4時半、冷たい小雨が降る中、道玄坂を歩く。大型連休のスタートを祝して夜通し遊んだ若者たちが、肩をすぼめて駅に向かって歩いて行く。電車は早朝にもかかわらず満員に近かったが、到着した池袋の駅前は、がらんとして寒々しかった。

こんな天気のせいか、常磐道は比較的空いていて、観光バスは予定通り10時に現地に着いた。城内坂からつかもとまでのメインストリートをひとまず歩く。なんとなく土地勘があるので、比較的効率よく周った。かまぐれの丘で沼野さんに数年ぶりのご挨拶。今日は初日としてはお客さんの出足が遅いと言っていた。今回の自分の目的は、デミタスカップとカレー皿探し。3時間ほど廻って、ある程度気に入ったものが手に入った。

ここで陶芸美術館でのんびりしようかとも思ったが、せっかく益子まで来たのだからと、大学時代にお世話になった藤原彩人さんの工房に足を伸ばすことにした。益子の駅前でタクシーに乗ると、運転手のおじさんが、駅前のモニュメントや陶壁は、彩人さんのお父上の郁三さんの作品だと教えてくれた。藤原陶房のビューイングルームで開催中のグループ展をのぞくと、彩人さんの奥様がいらして、工房を案内してくださった。(彩人さんはあいにく不在。)

タクシーを待たせていたので、20分ほどでお暇し、ふたたび陶器市の会場へ。観光バスの到着時刻まで、PEACE SPACEの奥のブースで、白ワインに豆アジのマリネと野菜カレーで昼食をとった。調理をしてくれた店のおばさんはヴェネチア在住で春の陶器市のときだけ、姉夫妻を手伝いに益子に戻って来るそうだ。相席の夫婦は新潟市内からやって来ているという。しばし三者で語らい、バス乗り場に向かった。

帰路も雨がぱらつき、車内は肌寒かった。最近どうも乗り物全般酔いやすくなっていて、帰路のバスでもだいぶ具合が悪かったが、雲の千切れて流れ出した夕暮れの空が美しいのが救いだった。

Setagaya, TOKYO 2019

今回購入したのは以下の品々。備忘録として。
岡田直恵さんの深皿(小)
・モリスゾイさんのマグカップ
ネギシ製陶(元・74工房)さんの鉢、平皿
福島晋平さんのデミタスカップ
辻紀子さんのミルクピッチャー
「萬」吉田商店さんの豆皿(骨董)
ましこのねさんのubusunaオーナメント(道の駅のガチャポン)

お仕事情報:和樂 web

ウェブサイト「INTOJAPAN」が、「和樂 web」としてリニューアルしました。リニューアルサイト最初の掲載記事は展覧会レビュー。松濤美術館の「女・おんな・オンナ〜浮世絵にみる女のくらし」を紹介しました。

浮世絵がメインの展覧会ですが、ジェンダーがテーマのものなので、1本目からかなり自分でハードルの高いものを選んでしまいました。日本ではなかなか言葉選びが難しい……。それでも好き勝手書かせていただき、そこそこ読み物として面白いものにできたかなと思います。とにかく優品揃い。後期展示もまた行きたい。

◼️ コスメから春画まで! 松濤美術館で考える江戸時代の女のリアル「女・おんな・オンナ〜浮世絵にみる女のくらし」展レポート

ベッドでマンガを読んでるみたい? 浮世絵から江戸の女性たちのリアルライフを想像してみる!


お仕事情報:INTOJAPAN

小学館の雑誌『和樂』が運営するウェブサイト「INTOJAPAN」で記事を書かせていただきました。編集部の方から、トライアルとしての一本目は自由に書いて良いと言われ、「デザインあ」でお馴染みの紋章上絵師の波戸場承龍さんにインタビューしました。

当初、今年1月のパリコレで発表されたYohji Yamamotoの新作の話題をメインにと考えていましたが、どんどん話が弾んで、京源さんの最近のお仕事を幅広くご紹介する記事になりました。この長文記事に対して『和樂』編集部のデスクと先輩ライターが非常に丁寧な添削をくださり、自分でも納得いくまで体裁をととのえて、満を持しての公開と相成りました。

公開後の反響も良好の模様。「JAPAAAN」マガジンでの取材から3年、改めて波戸場さんに感謝です。

◼️ 家紋のデザインで円満解決!? 紋章上絵師・波戸場承龍さんのクリエイティブな仕事術

https://intojapanwaraku.com/culture/2564/

お仕事情報:美術手帖

『美術手帖』7月号のBOOKのページで、下記の2冊の本を紹介しています。特集「アートフェスティバルを楽しもう!」の中で、とある方の聞き書きを行った関係で、いつもより発売を楽しみにしていた号です。

長谷川祐子『破壊しに、と彼女たちは言う 柔らかに境界を横断する女性アーティストたち』東京藝術大学出版会
田名網敬一『夢の悦楽』東京キララ社

たとえば、雑誌の一特集やコラムで一人の女性アーティストを語るのは、ある意味、いくつかのキーワードを用いてわかりやすい図式に乗っかってしまえば、意外と楽だろうと思うのです。ただ、女性アーティストばかりを取り上げて一冊の本に仕立てあげるには、当然ながら時代背景を踏まえた上で個々の差異を明文化しないといけない訳で、改めて長谷川さんの力量に感服しました。田名網さんの本からは、他人の夢の窃視の愉悦という新しい快感を教えていただきました。エロいんですけれど、それが文学的というか、こざっぱりした感じにまとまっていて、田名網さんの作品に対する見方がちょっと変わりました。

ウェブ版美術手帖に転載されています。
◼️ 楽しみながら、アートへの思索を深める。6月号新着ブックリスト
https://bijutsutecho.com/insight/5732/

ねこしんじゃった

実家で飼っていた猫のりんたろうが、土曜日の昼に逝った。生まれて間もないりんたろうを拾ってきたのは、僕が19歳の夏のことだった。この七月で15年だったから、人間で言えば75歳くらいまで生きたことになる。老衰だった。愛猫家という程でもないが、十数年来の家族の他界にあたって、やはり何か書き残しておこうかと思う。

Rintaro, TOKYO 2012

りんたろうとその姉を拾ったのは、夏の雨の日のことだった。厳密に言うと、僕が拾ったのではなく、近所の借家住まいのカップルが保護したのを一時的に引き受けたものの、里親が見つからなくて、そのまま飼うことになったのだが。野良の母猫が育児放棄したようだった。

保護したのは、アメリカンショートヘアの血を引いていると思われる茶トラの雑種で、オスとメス一匹ずつ。メスの方は、僕の高校時代の同級生が引き取ってくれることになったが、オスの方は里親が見つからず、結局僕の家で飼うことになった。母はずいぶん文句を言ったが、愛らしい子猫を保健所に送ることはできなかった。名前は、森鴎外の本名からとって、りんたろうにした。

りんたろうは、気位の高い猫だった。あまり人に懐かず、神経質で警戒心が強かった。比較的いつも棚の上など高いところに居て、不機嫌そうにしていた。毛並みが美しく、成猫のときは、ライオンやチーターのような風格があった。動物病院が大嫌いで、体調不良の際に病院に連れて行ったところ、まさに猛獣のごとく抵抗するので獣医に匙を投げられた。後にもう一匹、オスの子猫を引き取ることになったのだが、弟分と比較すると随分と野性の血を保った猫だったと思う。母猫に捨てられた日、雨の中で一生分鳴いたのだろうか、ある程度育って以降、ほとんど鳴くということがなかった。

僕は23歳の夏に実家を出て一人暮らしを始めたので、りんたろうと一緒に暮らしたのは彼の人生の三分の一に過ぎなかったことになる。ある程度年をとってから、りんたろうは家のあちこちに粗相をするようになって、実家の父母は随分と手を焼いた。僕のこともいつまで覚えていたかはわからない。たまに実家に帰ると、彼は僕や僕の荷物の匂いをふんふんとかいで、「ふん、まあ良かろう」というような顔で僕の入室を認可した。

今年の正月に実家に帰ったとき、りんたろうはずいぶんとやせ細っていた。年相応のことだと思っていたが、五月の連休に実家に顔を出したとき、さらに体重は半減していた。両親と「この夏は越せないだろう」と話した。「命の重さ」という言葉があるが、こうやって少しずつ命は減って軽くなっていくのかと思った。そうして僕は、五年前に癌で亡くなった友人のテノール歌手の本田さんのことを思い出していた。猫と人とを並べて語るのも不謹慎かも知れないが、本田さんのパートナーが、本田さんの死後につづったブログの言葉が妙に印象に残っていた。

ただでさえ小さかった体が、本当に小さくなってしまいましたが、それは、本田さんが持っているエネルギーを全て使い切るまで、がんばって生き抜いた証だと思っています。

ブログ「HEROのヒーロー」2012年11月30日の投稿より)

五月の終わり、りんたろうがいよいよ食事を摂らず動かなくなったと両親から連絡があり、仕事を早く上がった日の夜に、日野の実家まで行った。骨と皮ばかりになったりんたろうが、母の布団の上で寝ていた。浮き上がった背骨が呼吸に合わせて上下している。しかし、両親の報告に反して、その日、りんたろうは僕の前で立ち上がり、部屋の中を歩き廻った。僕がカメラを向けると、衰弱した我が身を撮るなと言わんばかりに、一丁前に尻尾で空をはたいて苛立ちを表した。死に際までプライドの高い猫だ。僕はなんだか安心して、りんたろうに別れを告げて自宅に帰った。

それから二週間後の土曜日の昼、りんたろうは両親に看取られて天国に召された。亡くなる二日ほど前から、弟猫がりんたろうに近づかず、離れて寝るようになっていたのだそうだ。りんたろうが近寄らせなかったのかもしれないし、猫が認識する生死の境界線が、人間とはちょっと異なるのかも知れない。亡くなったその晩、自宅前に焼却炉付の車に乗った業者がやってきて、りんたろうは前足に数珠をつけてもらい、花をまかれて火葬されたらしい。骨はりっぱな骨壺に納められたそうだ。僕は実家からの報告を受けて、自宅で白檀の香を焚いて寝た。

母から火葬の話を聞いたとき、りんたろうの遺体が地方自治体の有料ごみとして燃やされなかったのに多少安堵したのだが、りんたろう自身は、自分の亡骸がごみとして焼却されようが、前足に数珠をつけられて骨を拾われようが、たぶん知ったことではなかっただろう。なんと言っても猫だし、何せもう死んでいるのだから。ペットでも人でも、つまるところ、葬儀というのは死者のためのもののようでいて、その実、遺された者のために行うようなものなのかも知れない。人の中には自分の葬儀について生前希望を伝える人もいるけれど。そんなことをぼんやりと考えながら、僕はりんたろうがいない世界に、また白檀の香をくゆらせた。

お仕事情報:ethica

ethicaにて、アデランスのCSR事業に関する記事を書かせていただきました。
最初にこの記事の話を頂いたときは「なぜ自分に?」と思いましたが、学ぶところが大きく、大変ためになるライティングでした。

東北地方の各地には、古くから津波の被害を記録した石碑(災害記念碑)があったそうです。ほとんどが、苔むしてその存在を忘れ去られたなか、宮古・姉吉地区では、その石碑の教えを守り続けた結果、2011年の東日本大震災の時に被害を最小限に留めたそう。(参照:記憶の部屋 「津波への対応◇各地の津波対策、地震発生時の対応、今後についての報道集」

今回アデランスが活動支援したNPO法人桜並木ネットワークは、この石碑に代わるものとして、東北地方の沿岸に桜並木をつくる取り組みを行っています。津波の被害を伝え、被災者の心を慰め、災害時の避難の目印となる桜並木。ぜひ、多くの方に知っていただきたい活動です。

■ 大津波の際に避難の目標を後世に伝え続ける NPO法人さくら並木ネットワークを支援
http://www.ethica.jp/37039/

お仕事情報:美術手帖

『美術手帖』6月号は、大山エンリコイサム監修のグラフィティ特集。グラフィティの分野の中でも、ちょっと偏りがある印象はありますが、最近の『美術手帖』の中では勇気ある挑戦。今月は、下記の2冊の本をBOOKのページで紹介しています。

久保田晃弘『遥かなる他者のためのデザイン 久保田晃弘の思索と実装』BNN新社
水野祐『法のデザイン−創造性とイノベーションは法によって加速する』フィルムアート社

どちらも書名に「デザイン」の文字が入っていました。デザインという言葉が、日本でも最近とても広い意味で使用されるようになりました。前者は理系頭の人はもっと面白く読めるんだろうなぁ、と思いながら読みました。後者は「リーガルデザイン」に関する本で、法律とかお役所とか、なんだか融通の効かないもののように思っていたのですが、どうやらこちら次第でどうにでも付き合っていけるもののようです。ちなみにどちらも装丁が素敵でした。

ウェブ版美術手帖に転載されています。
◼️ アートと科学、アートと批評を考察する。6月号新着ブックリスト
https://bijutsutecho.com/insight/4882/

お仕事情報:ethica

ethicaでの執筆の仕事、2本目の記事が公開されました。先日のGINZA SIXの続編のような感じです。
しかし、まさか自分が「Health & Beauty」のカテゴリの記事を執筆するとは……。

健康も美容もほぼ無縁の生活を送ってますが、記事内でご紹介したlululemonさんの主催のイベントの中に「今回のテーマは“おいしくビールを飲むために、楽しく汗を流す”です。」というものがあって、ちょっと親近感がわきました。

■ 銀座の真ん中で深呼吸 GINZA SIXで探すオシャレで健やかな日常
http://www.ethica.jp/35741/